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名古屋市緑区の加藤厚税理士事務所 相続税 贈与税 相続対策 中京大学非常勤講師

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こんな連年贈与は危ない

一般の読者からよくある質問で、著書も書いておきましたが、贈与税の基礎控除を使った点で注意しなければいけないことがあります。それを、Q&A方式でご紹介します。


<質問>
 贈与税の基礎控除額(暦年課税)をフル活用するにはどうすればいいですか?

<回答>
 長期間にわたって贈与すれば節税額は何千万以上になります。

<解説>
 贈与税には、年間110万円(暦年課税)の基礎控除額があります。つまり、1年間に110万円までの贈与であれば無税になります。110万円というのは一見少なく思えるかもしれませんが、この基礎控除額をフル活用すれば節税額は何千万になることもあるのです。

 例えば、1,000万円を贈与したいと考えたとき一度に贈与するのではなく、10年間にわたって贈与すれば贈与税は0円になります。1年間に100万円を毎年贈与し続ければ、毎年の贈与額が基礎控除額以下になるので贈与税がかからないのです。さらに、同じような贈与を5人に行うことで、なんと5,000万円の贈与でも無税になります。

ただし、この方法には注意が必要です。同額の贈与を数年間続けると、その総額に対して贈与税がかけられる可能性があるからです。例えば、毎年50万円を20年間贈与したとすると、1,000万円の贈与を20年に分割したとみなされて1,000万円の贈与として贈与税がかかってしまいます(連年贈与)。ですから、毎年、贈与額を変えたり、ときには基礎控除額を上回る贈与をして贈与税を払うなどの工夫をするようにしましょう。それと贈与する時期を毎年同じ日、例えば覚えやすいからといって、お孫さんの誕生日ばかり贈与させることは避けましょう。

<対策>
1.銀行振り込みを利用して証拠を残す
2.受贈者に贈与の事実を伝える
3.受贈者自身が口座を作り、通帳と印鑑を管理する
4.贈与の時期をずらし、金額にも変化をつける

 以上、参考になれば幸いです。


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